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リモコンスイッチの電源は入れっぱなしで大丈夫?

リモコンスイッチの電源は入れっぱなしで大丈夫?

基本的にONのままでいい

給湯器のリモコンスイッチは、基本的にこまめにON/OFFする必要はありません。

むしろ、つけっぱなしにしておく方が、安全面や利便性、そして機器の寿命を考えるとメリットが大きいと言えます。

1. 待機電力について

「リモコンスイッチをこまめに切れば電気代が節約できる」という考えはありますが、その効果は限定的です。

  • 消費電力はごくわずか: 給湯器の待機電力は、機種によって異なりますが、年間で数百円~2,000円程度の電気代です。特に最近のエコジョーズ給湯器は、待機電力が非常に少なく、年間の電気代はさらに安くなります。
  • 起動時にも電力は消費される: リモコンスイッチを入れるたびに、給湯器は起動動作を行います。この起動時の電力消費や、スイッチを入れる手間を考えると、こまめなオンオフによる節約効果はほとんどありません。

2. 凍結防止機能との関連性

冬場は、リモコンのスイッチを切っていても、本体のコンセントが挿さっていれば凍結防止機能は作動します。

  • 本体の電力供給が重要: 凍結防止ヒーターやポンプが働くには、給湯器本体に電気が供給されている必要があります。リモコンのスイッチを切っても、本体のコンセントを抜かない限り、この機能は維持されます。
  • 配管の凍結: ただし、極寒地や寒波が来た場合、給湯器本体の凍結防止機能だけでは、外部の配管の凍結を防げないことがあります。このような場合は、リモコンのスイッチをオフにし、ガス栓を閉めた上で、少量の水を出しっぱなしにすることが推奨されます。

3. 機器への負担と寿命

リモコンのスイッチを頻繁にON/OFFすることは、給湯器の寿命に影響を与える可能性があります。

  • 点火・起動回数の増加: スイッチを入れるたびに、給湯器は点火・起動動作を行います。この回数が増えることは、点火装置や基盤などの部品に負担をかけ、結果的に機器の寿命を縮める一因となります。

4. 付けっぱなしのメリット

  • 利便性: 使いたいときにいつでもお湯が出せる状態を保てます。
  • 安全性: 特に冬場の凍結リスクを確実に防ぎます。
  • 総合的な経済性: 待機電力のわずかな節約よりも、凍結による配管破裂などの高額な修理費用を回避する方が、はるかに経済的です。

まとめ

結論として、給湯器の給湯・お風呂スイッチを使用しないときに「OFF」にする習慣は、経済的・安全性の両面で、大きなメリットはありません。

給湯器の電源は、普段使いであれば入れっぱなしにしておくのが、最も合理的で安全な使い方です。

ただし、以下のような場合はリモコンのスイッチをオフにしても良いでしょう。

  • 長期間家を空けるとき:特に冬場以外で、1週間以上家を空ける場合は、安全のためにスイッチをオフにすることを検討しても良いでしょう。
  • 災害時: 地震などの災害時には、二次被害を防ぐためにも、ブレーカーを落とすことが推奨されます。

異なるケース

給湯器のリモコンスイッチをこまめにON/OFFする視点について、給湯器の専門家やメーカーが推奨する一般的な使い方とは異なる、いくつかの例外的なケースや視点から解説します。


1. 待機電力の「わずかさ」を無視しない視点

給湯器の待機電力は確かにわずかですが、積もり積もれば無視できないと考える人もいます。

  • 家電全体の待機電力削減: 個々の家電の待機電力は小さくても、家庭内のすべての待機電力を合計するとかなりの量になります。エコ意識が高い人にとっては、給湯器のリモコンスイッチを切ることも、この「小さな節約」の積み重ねとして意味を持ちます。
  • 長期的なコスト削減: わずか年間数百円~2,000円の節約でも、給湯器の平均寿命である10~15年で計算すると、数千円~数万円の節約になります。大きな額ではないものの、無駄な出費を減らしたいという視点からは、十分意味のある行動と言えます。

2. リモコンのON/OFFが推奨されるケース

特定の状況下では、リモコンスイッチをこまめに切ることが推奨される場合があります。

  • 誤作動の防止: 小さな子どもがいる家庭や、ペットがリモコンに触れてしまう可能性がある場合、意図せずにお湯が出続けるのを防ぐために、使用しないときはスイッチを切っておくという視点です。
  • シングルレバー水栓の誤使用防止: シングルレバー水栓は、レバーが少しでもお湯側に傾いていると、給湯器が着火してガスを消費してしまうことがあります。この無駄な消費を防ぐために、使用しないときはリモコンスイッチを切っておくという考え方があります。

3. 「こまめにON/OFFする」という行動が持つ心理的なメリット

経済性や安全性といった実用的な側面だけでなく、心理的な側面から捉えることもできます。

  • 節約への意識付け: 毎日リモコンスイッチをON/OFFする習慣は、「光熱費を節約しよう」という意識を常に保つことにつながります。これは給湯器だけでなく、他の家電や生活全般の省エネ行動にも良い影響を与える可能性があります。
  • 安心感の確保: 使っていないときは電源を切っておくという行動は、「使わないものは止める」という単純な安心感につながります。電気系統のトラブルやガス機器の安全性を過剰に心配する人にとっては、精神的な安心感を得るための行動と言えるでしょう。

まとめ

一般的な使い方としては、給湯器はつけっぱなしが推奨されますが、それは「凍結防止」「機器への負担軽減」「経済性のバランス」といった合理的な理由に基づいています。

しかし、別の視点から見れば、**「小さな節約の積み重ね」「誤作動防止」「心理的な安心感」**といった理由で、あえてこまめにスイッチをON/OFFするという選択肢も存在します。ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて、どちらの方法がより適しているかを判断するのが良いでしょう。